経済的に恵まれない母子家庭に育ち、高校・大学は奨学金を借りて卒業。そのため、1000万円に迫る“奨学金という名の借金”を背負うことになった。そこで、郷里に母を残して上京、東京国税局の国税専門官となった。配属を希望したのは、相続税調査部門。「どうすればお金に悩まされずに済むのだろう?」と考え「富裕層のことを知れば、なにかしらの答えを得られるのではないか?」と思い至ったからだった。国税職員のなかでも富裕層が相手となる相続税を担当するのは、たった1割ほど。情報が表に出てくることはほとんどない。10年ほど携わった相続税調査で、日本トップクラスの“富裕層のリアル”に触れた『元国税専門官がこっそり教える あなたの隣の億万長者』(ダイヤモンド社)の著者が、富裕層に学んだ一生お金に困らない29の習慣を初公開する!
※本稿は、『元国税専門官がこっそり教える あなたの隣の億万長者』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。
昔ながらの
富裕層の戦略
地価の側面からも、都会に住む人のほうが富裕層になりやすいです。
都会で価値ある土地を手に入れ、その土地の価値が高まることで資産額を増やすのが、昔ながらの富裕層の戦略なのです。
そのことは国税庁が毎年7月に発表している「路線価」から知ることができます。
たった1㎡で
5000万円
路線価は相続税や贈与税の計算をする際、土地の評価に使う指標なのですが、これは取引相場の8割を目安に設定されています。ということは、路線価を0.8で割り戻せば、およその地価がわかるということです。
最新の路線価(2022年分)を調べると、全国でもっとも路線価が高い地点は、東京都中央区の「銀座中央通り」。1㎡あたり4224万円という高い路線価がついています。
単純に0.8で割り戻せば、たった1㎡で5000万円ほどの価値が見込めます。
1㎡1000万円超の
路線価がつく都市
1㎡で1000万円を超える路線価がついている都市は、東京を除くと横浜、名古屋、大阪の3つだけ。多くの都市の最高路線価は、高くとも数十万円単位にとどまっています。
これだけ差がつくのは、都会は住環境や雇用環境に恵まれている傾向があり、都心になるほど土地へのニーズが高まっていくからです。
その地域に住みたい人、ビジネスをしたい企業が増えれば、それだけ土地の値段が上がっていくのは、需要と供給の関係からして当然のことです。