ラグビー部時代の後輩の一言で目が覚めた
「そんなことは、当社ではとっくに議論済みだ。経営のトップである社長は、経営のできる人がなるべきだ。出身畑や事務系、技術系の入社などなにも関係ない」
目からウロコでした。同時に、そんなことを後輩に言われるまで気がつかない自分に対
して非常に情けない気持ちでした。
当時の私は、会社が出身畑で人事や組織を決めていることに拒否感を抱きつつも、これ以上は仕方がないことだともどこかで思っていたのです。頭ではダメなことだと思っていても半ば諦めてもいたとも言えるでしょう。
しかし、後輩の言葉のおかげで、目が覚めた私は自分が会社のためになると思うことは全力でやろうと、再び決意を固めました。
加えて、口だけで言っても一向にらちが明かないと思い、まず自分が技術系の人事の限界を打破し、ロールモデルになると決心しました。前述の研究所の室長時代に、42歳にしてMBAにチャレンジし、味の素をやめずにオンラインで4年かけて修士号を取得したのもその一例です。
20年以上前ですので、オンライン、パートタイムのみでMBAを取得できる大学は多くなく、オーストラリアのUSQ(サザンクイーンズランド大学)で4年をかけて取得しました。しかし、それだけでうまくいったわけでは当然ありません。