自分の人生の「これから」を
ゆっくり考えてみよう

 センス型の人の多くは、まずは転職を検討します。大きなリスクを取るのではなく、自身ができることで環境の変化を作ろうとします。それでうまくいく人もいますが、感性が失われた状態で考える人生にワクワクしない、将来が楽しそうではない、そもそも人生をゆっくり考え直す時間がない、などの理由から、一時的に自分の時間をゆっくり取って、感性を回復させ、人生を作っていきたいと考える人もいます。

 世の中からしたら、贅沢なことのように聞こえ、選択することに悩みます。ライフ型、グッド型のように明確な目的がないため、自分を大切にすることがおざなりになって、選択の決心がつきにくいようです。人に説明することも難しく、家族や会社に嘘をついて辞める人もいます。現状で、一番、市民権が低いキャリアブレイクだと感じます。

 4つ目は「パワー(POWER)型」です。ワーキング・ホリデー、海外への留学や滞在、世界一周旅行。ボランティア活動や社会活動など自分の生きがいを大きく発揮できるものに出会いたい。自身への可能性や期待を表現したいというモチベーションから始まるのが、パワー型です。

 挑戦するために一定の時間が必要と考え、雇用から離れ離職期間を獲得します。中には、大学のときに休学して留学していたり、親がキャリアブレイク的な経験をしていたり、ブレイク(休憩)を入れることで人生が発展した経験をすでにしている人もいます。一見するとポジティブなキャリアブレイクではありますが、周到に準備する必要があったり、雇用から離れて初めて虚無感に襲われたり、自分が掲げた目標が大きすぎてプレッシャーに押しつぶされそうになったり、パワー型と言えど、悩みや葛藤はあります。

 このようにキャリアブレイクは大きく4タイプに分かれますが、タイプの行き来は多くあります。

 妊娠出産で雇用から離れたライフ型が入口だったとしても、仕事から離れてみて、自分の挑戦心に火が付き、気付いたらパワー型になっている人もいます。休職し、グッド型で始まったキャリアブレイクだったとしても、会社と合わなかっただけで、私は感性を活かして働きたいと、センス型に移行する人もいます。逆に、虚栄心で始めてしまったパワー型の人が、雇用から離れてゆっくり考える時間を持つことで、私らしく働きたいとセンス型に移行することもあるのです。