自宅に帰っても、仕事のことが頭から離れない。そんな経験をしたことがある人は少なくないだろう。本来なら休憩するはずの時間も、頭が仕事のことで占められていると、なかなか休んだ気にならないのがつらいところだ。そんな時の切り替え方法を教えてくれる本がある。SNSで大人気のカウンセラー・Pocheさんの新刊『がんばるのをやめたらうまくいった』だ。人間関係、親子問題、アダルトチルドレン(AC)専門のカウンセラーとして活躍するPocheさん。本記事では、Pocheさんがお勧めする仕事が終わった後の切り替え方法について、本書の内容をもとにご紹介する。(文/神代裕子、ダイヤモンド社書籍オンライン編集部)

がんばるのをやめたらうまくいったPhoto: Adobe Stock

仕事のことが頭から離れないのは「自然なこと」

 自宅に帰っても仕事のことが頭から離れなくて苦しい。

 仕事をがんばっていて、忙しい人ほどそのような状態になりやすいのではないだろうか。

 筆者にも経験がある。特につらいのは、仕事の「モヤモヤ」が頭から離れないときだ。

「ああ言い返せば良かった」「なんであんなことになってしまったのだろう」。

 うまく対処できなかったときや理不尽な目にあったときほど、そのことが頭から離れなくて苦しかったのをよく覚えている。

 ある時、「嫌なことを100回思い出すことは、例えば殴られたのは1発なのに、その後に自分で100発殴っているのと同じ」と書かれた記事を目にした。

 それを知って愕然とした。嫌なことを思い出すのは自分で自分を殴っているようなものなのか! と。

 その後は、できるだけ仕事のことは考えないようにしようと思ったのだが、なかなかうまくいかない。どうしても、思い出してしまうのだ。

 Pocheさんはそうなってしまうことは「自然なこと」と語る。

人の脳は禁止されるのが苦手なので、「考えてはいけない」「考えないようにしよう」と思えば思うほど、考え続けてしまうのです。(P.112)

 では、いったいどうすればこの思考を止めることができるのだろうか。

仕事のことが頭から離れないときの対処法

 Pocheさんは、「そんなときには、音や言葉で頭を切り替えてあげましょう」とアドバイスする。

仕事のことが頭をよぎったら、即座にパンッ! と手を叩く。
そのまま目をつぶって「リセット」と心の中で呟く。
次に、目を開けて「リセット」と口に出す。
このときのポイントは、テンポよく一連の動作を行うことです。(P.112-113)

 そんなことで頭が切り替わるのだろうか? と思うかもしれない。しかし、筆者は実際にこれを試してみたのだが、なかなか効果的である。

悩みごとと関係のない動作をすることで、フル稼働している思考回路を強制的にストップさせてしまいましょう。さらには目をつぶって開けるという動作によって、感覚的に意識を切り替える効果も期待できます。(P.113)

 試してみると、この言葉通り、物理的に思考を切ってしまうような感覚が得られた。

 しかも、しばらく続けていくと、明確にいつもよりも自分の中のストレス度が減ったのを実感したのだ。この変化には筆者も大変驚いた。

 想像以上の効果だ。仕事のことが頭から離れずストレスを感じているみなさんには、ぜひこれを試していただきたいと思っている。

自分を助けてくれる術を身につけよう

「ストレス社会」と言われる昨今、無理してがんばっている人も多いことだろう。

痛いときには、痛み止め。
風邪のときには、風邪薬。
胃の痛みには、胃腸薬。
仕事のことが頭から離れないときには、切り替えの術。
自分を助けてくれるアイテムをどんどん使っていこう。(P.110-111)

 そう語るPocheさんの言う通り、自分を楽にするための方法は、少しでも多く知っておいた方が良い。

 がんばりすぎて、自分が参ってしまっては本末転倒だからだ。

「最近ちょっと疲れちゃったなあ」と思う方には、Pocheさんの言葉がとても刺さるだろう。

 がんばったり我慢したりするのをやめて、少しでも健やかな精神状態で毎日を過ごしていただきたいものだ。