「あの人、なんであんなことを言ってきたんだろう」「この仕事、ちゃんと締め切りまでに終わらなかったらどうしよう」など、いろいろ考えて眠れなくなることはないだろうか? 寝るときにグルグル思考が止まらなくなる人におすすめなのが、『無意識さんの力でぐっすり眠れる本』(大嶋信頼著)だ。心理学的なアプローチによって、不安や不満などの不快な感情を消し、読むだけで眠くなるメソッドを多数紹介。眠れるようになるだけでなく、ストレスを根本から消してくれる「不思議な催眠効果」がある1冊だ。「2ページ読んだだけで眠れた」「ストレスが消えた」「自己肯定感が高まった」などの感想が多数寄せられている。今回は発売を記念して、本書から特別に一部抜粋、再編集して紹介する。

嫌なことばかり考えてしまう人の驚くべき特徴とは?Photo: Adobe Stock
寝る前に「自分が気持ちいいと思うことを想像してみましょう」というのは、普通の睡眠導入法。
このとき、「気持ちいいこと」がわからない、と思ってしまう場合は、「苦痛」と「気持ちいい」が入れ替わってしまっている証拠。
頭の中でくり返し嫌な人のことが思い出されるのは、脳が「怒って相手を破壊することが気持ちいい」と感じているから。
失敗した恥ずかしさや悔しさを「苦痛」と思っているけれど、普通に「苦痛」を感じているのだったら、何度も同じことを思い出さないようにして避けるはず。
でも、何度も思い出してしまうのは「苦痛=気持ちがいい」となっている可能性がある。
そこで、「これが私の気持ちいいということなんだ!」と認めると、いつの間にか考えるのが面倒になって眠りに落ちていく。

苦痛=気持ちがいい、になっている!?

ある女性は、過去に起きた嫌な出来事を思い出したり、先のことが不安になったりして、まったくリラックスできず、慢性的に眠れない日が続いていました。
そこで、「気持ちがいいこと」探しに挑戦してみます。

「気持ちがいい場面」を思い出してみようとしているのに、なぜか過去に人から失礼なことをされた場面が出てきてしまいます。

「あ! でも、これって相手に怒ること=気持ちいい、になっているということか」と気づきます。
「人に怒りを感じながら気持ちがいいと思ってしまう私って変なの?」と少し不安になりますが、「怒ることは気持ちがいい、でいいんだ」と思ってみると、不思議と心地よい疲れが出てきて眠ってしまいます。

そして、次の日にやはり早めに布団に入って「気持ちがいい場面」を想像してみます。すると、「お金がなくなったらどうしよう」「年をとってひとりになったらどうしよう」など将来の不安が浮かんできます。

「これも不安という苦痛を、気持ちがいいものと感じているんだ」と気づきます。

自分では本当に嫌だなと思っているのに、嫌なことや最悪なことを考えれば考えるほど、苦痛が増して「気持ちいい」と感じている。

自分が意外なことで気持ちいいと感じている、と気づくだけで、いつの間にか心地よい疲れが出てきて、眠れるようになります。

“無”の状態でぐっすり眠れる

嫌なことばかり考えてしまう人の驚くべき特徴とは?Photo: Adobe Stock

毎晩気持ちがいい場面を想像するうちに、あるときから気持ちがいい場面が何も浮かんでこなくなりました。

「気持ちがいいことが何もなくなった?」と一瞬不安になりますが、「あ! これが何も感じない『無』の状態で無が気持ちがいい、ということなんだ!」と気づきます。

「何もないのが気持ちいい」と思っていると、いつの間にか深い眠りの中に入っていきます。

それをくり返しているうちに、女性は以前のように他人の行動に一喜一憂したり、自分のことを責めたりせず、淡々と生活できるようになりました。

「どんなことが自分にとって気持ちがいいんだろう?」と、日頃から「気持ちがいい場面」を探すようになると、不満に感じることがどんどん減っていき、不思議と仕事や家事に集中できるようになります。

以前はストレスでいっぱいの毎日を送っていたのに、信じられないくらい楽しく過ごせるようになっていったのです。

(*本稿は『無意識さんの力でぐっすり眠れる本』より一部抜粋、再編集したものです)