「若者に通じない」はもう通用しない
私の思うような夢が、若者に通用する時代ではないかもしれません。しかし、若者は世の中を変えていく存在で、未来の選択権は常に若者にあります。日本の経営者、特に伝統企業の経営者は、この30
年間、若者に夢を見させるような経営をやってきたでしょうか? いつも、近視眼的な雑物のような目標を突きつけてきませんでしたか? そうだとすると、反省すべきでしょう。味の素が大いに反省しなければならなかったのは、実はこの点なのです。
企業を変えるのは、ワカモノ、バカモノ、ヨソモノであると一橋大学ビジネススクール客員教授の名和先生は言います。ですが、そのためには、これらの人たちを惹きつけてやまない夢を与え続けなければなりません。それが、経営者の最大の責任であるように思います。
逆に、これからの時代をつくる若者たちに伝えたいのは「夢を見る力」です。逆境のなかでも、「夢を捨てない勇気」を持ちましょう。現実のビジネスの世界では、答えは教科書には書かれていませんし、スマートフォンで検索しても見つかりません。自分で答えを探すしか方法はないのです。
ただし、1人で探す必要はありません。志をともにし、夢を共有する仲間たちが、必ず現れます。出会いは偶然に、突然にと言いますが、夢さえ捨てなければ、チャンスとともにいい出会いが必ず訪れます。