「普通」に囚われると遠くに行けなくなる

尾原:先ほど言ったように、「普通」という言葉が好奇心を殺してしまっています。

 学校は、1人の先生がたくさんの生徒を教えなきゃいけないから、たまたま「学ぶ」じゃなくて「教える」になっていただけです。それが、AIや坪田塾のようなメソッドが出てきたことで、「教える」から「学ぶ」を取り戻すわけじゃないですか。

 その時に、僕たちは「普通はこうだよ」と。「普通」というのは、今までの社会の都合のために作っていた言葉であって、一人ひとり違うのは当たり前ですよね。ましてや、これだけ情報が増えていたら、どっちの方向に成長していくかなんて多種多様ですからね。

 僕は、『努力革命』の最後に羊一さんが書かれた言葉がすごく好きで。羊一さんは、「正しさに囚われると、僕たちは遠くに行けなくなってしまいます」と言っています。

 僕たちは、普通とか正解に囚われがちですけど、そこから外れて、どうやって成長に進んでいくかがすごく大事だと思うんですよね。

坪田:そうですよね。

伊藤:本当にそうだね。ここ5年、10年で「自分、成長したな」と思えるようになったきっかけは、「俺はバカだ」「バカで何が悪いんですか? 君に何か迷惑をかけましたか?」という気づきが一番デカいですよね。

坪田:おもしろい(笑)。

伊藤:尾原さんから、「羊一さんはバカでいいんですよ」と。「バカでいいんですよ」とは言っていないけど……。

坪田:(笑)。

尾原:似たようなことは言った(笑)。

伊藤:「見たまま聞いたままから、自分のロジックを構築しているのがすごいんですよ」と言われて、「だよね」と思って。でもそれって、多くの人に必要な気がしますよね。

 ChatGPTとかを使いながら、「自分はバカでいいじゃん。仲良くしながら一緒に学ぼうよ」となれば、めっちゃいい。

坪田:そうなんですよ。