教育は「エンタメへの大政奉還」をすべし
坪田:「大学生活に憧れるのは不順かもしれないけど、別にいいじゃない」って、途中で伊藤さんがおっしゃったと思うんですけど、僕は本当にそのとおりだと思っていて。勉強だけ、やたらと高尚なものにしようとしすぎなんですよ。
尾原:なるほど。
坪田:僕はシンプルに、勉強はエンタメだと思っていて。好奇心なんて、エンタメじゃないですか。
例えば、野球にすごくハマっていて、「甲子園を目指してがんばるぞ!」と言って毎日野球をやっている子は、野球が楽しいし、成長するから楽しいわけですよ。それなのに、「野球が何の役に立つんだ」と言われたら、「知らねえし」という話です(笑)。
尾原:(笑)。
坪田:「甲子園を目指して野球をがんばってます」ってピュアな感じがして、世の中からも応援されるじゃないですか。一方で勉強って、「めっちゃがんばってます」「私ガリ勉なんです」という人は、「ガリ勉なの?」って、微妙な反応をされてしまいます。
でも、受験を競争のように楽しんでもいいし、エンタメとして楽しんでもいい。大学も、「明るく楽しく、ワイワイ友達と遊びたいです」というのがモチベーションでもいいと思っていて。
そういう意味で言うと、教育は「エンタメへの体制奉還」をすべきだと思うんですよね。
尾原:確かに。
坪田:もともと学問って、エンタメでしょ?
伊藤:そうだ。
尾原:農業とかも、稼業を継ぐのに仕方がないことだったわけですものね。
坪田:そうなんですよ。好奇心で、好きだし楽しいからエンタメでやっていたわけじゃないですか。そこが体系化されて、「学問」「大学」、「先生」「師弟」とシステム化されていく中で高尚なものになって、「神聖不可侵」といったかたちになっている。
尾原:そうですね。そうなっちゃったから、我々は「学ぶって楽しいんだから、楽しんでやっていいじゃん」と言って、大政奉還する。
坪田:学問のエンタメへの大政奉還をすべきだと思うし、それがまさに『努力革命』につながると思っているんですよ。
尾原:すごい。受験もそうですよね。今日のお話で一番ハッとしたのは、仕事も「上司から教わるもの」という壁を勝手に作っているから、成長のための大政奉還ができるはずですよね。
坪田:そうなんですよ。日本の社会では、男の人たちが「俺は仕事を家族のためにやってるんだ」と言いがちです。もちろん、そういう側面もあるかもしれませんが、一流の人であればあるほど、シンプルに楽しいからやっていると思うんですよ。
尾原:そうやって楽しんでやっていたら、先ほどの羊一さんの話のように、娘・息子が「パパ、仕事を楽しそうにやってるから、僕たちも何かやりたい」って、憧れの正循環になりますものね。
坪田:本当にそう思います。
伊藤:そうだ。
尾原:すごいな。本を出版した日から、『努力革命2』の話がこんなにできるとは(笑)。
坪田:これって、『努力革命2』の話なんですか?
伊藤:(笑)。
尾原:今日の話をまとめたら、「2」になるでしょう?
伊藤:そうなる感じがしますね。
尾原:それこそ、エンタメの大政奉還だと思うんですよね。出したものを真似るんじゃなくて、出した瞬間から次が始まるのが学びの正循環ですからね。
今日はめちゃめちゃ濃厚な話を、ありがとうございました。
坪田:1時間とは思えない濃厚な時間でした。ありがとうございました。
伊藤:ありがとうございました。