大切なことは、相手の気持ちをこちらに向けることです。

 説得をしたり、押し売りをしたりするのではなく、「あなたの話を聞いてみたい」「その商品に興味がある」「もっと知りたい」「欲しい!」と、相手のほうから興味を持ってもらうようにしていくことです。

 そのためには、一方的に話をするのではなく、相手と対話をすることが必要ですね。

・勘違い(2) トークパターンをつくる

 売れないときは、「まずこの話をして、次にこの資料を見せて、この話をして……」と、入念なトークパターンを準備しがちです。僕も自分の緊張を少しでも和らげようと、商談で話すことを文章に書き起こしていたことがありました。

 しかし、うまくいきませんでした。なぜなら、お客様はみんな違うからです。

 友達にオススメの店を紹介することがありますよね。そんなとき、全員に同じ話はせず、その人に合った話をするのではないでしょうか。

 たとえば、料金を気にする人には「これくらいの予算でね」と伝え、雰囲気を気にする人には「こんな感じのお店だよ」と伝え、味を気にする人には「メニューの話」をして、話題性が必要な人には「ここが面白いよ」と伝えます。

 相手によってグッとくるポイントは違いますよね。相手に合った話をするためにも、相手との対話が大切になってきます。

・勘違い(3) 商品の話ばかりする

 一生懸命に商品の話をしても、お客様の食いつきが良くないときがありませんか?

 それは、売りたい人と買う人の間で、「見ているもの」が違うからなのです。お客様は、あなたの商品が欲しいわけではないのです。

 僕は、毎日のようにカフェに行きます。僕がカフェに行く理由は、ゆっくりできる場所で仕事をしたり、本を読んだりしたいからです。コーヒーという商品を通して、ゆったりできる時間にお金を払っているわけです。

 だから僕は、「コーヒーの味やこだわり」よりも、「ゆっくりできるよ」「気持ち良く過ごせるよ」と言われるほうがグッときます。商品が欲しいわけではなく、「その先にある気持ちや未来」が欲しいからです。商品はそのための手段でしかありません。