キャリアを構成する4つの要素

 過去に積んだキャリアは、次の4つの要素で構成されています。

(1)テクニカルスキル
 これまでどんなことを経験してきたのか、どのような知見をもっているのか――つまり、職種経験、業界経験、専門知識などがこれに当たります。

(2)ポータブルスキル
 課題を設定する力や対応力など、働く場所が変わっても応用できる能力であることから、「ポータブル(持ち運びができる)スキル」と呼ばれます。たとえば、「論理的に考える力」「顧客のニーズを聞き出す力(コミュニケーション能力)」「プレゼンスキル」などがこれに当たります。

(3)スタンス
 仕事の目的や自分の役割を理解したうえでどのような行動をとるかなど、仕事に対する考えかたや行動特性、仕事への向き合いかたです。仕事に対する熱意と言い換えることもできます。

(4)ポテンシャル
 潜在能力・可能性を指します。すなわち、「前に踏み出す力=主体性、働きかけ力、実行力」「考え抜く力=課題発見力、計画力、想像力」「チームで働く力=発信力、傾聴力、柔軟性、情況把握力、規律性、ストレスコントロール力」などです。

重視されるポータブルスキル

転職者の多くは「自分の強み」がわかっていない〈PR〉

 近年、企業は「ポータブルスキル」を重視する傾向があります。業種や職種、ポジションによって求められる要素は異なりますが、あなたのポータブルスキルが転職先候補で活躍している人材とマッチしていれば、たとえ新たな仕事であってもより慣れやすく、より能力を発揮しやすいということになります。

 業種や職種が変わっても持ち運びできるポータブルスキルは、大きく「仕事のしかた」と「人との関わりかた」の2つに分類することができます。

 仕事のしかたでは、たとえば職務上の課題を見つけて解決する「課題の定義」や「課題の解決」、「時間管理」などが挙げられます。人との関わりかたなら、「コミュニケーション能力」や「チームワーク」などがこれに該当します。