その一つが小豆。不溶性の食物繊維が多く含まれ、タンパク質やビタミンB群、鉄分やカリウム、ポリフェノールなどたくさんの栄養素を含む。特に、あずきの外皮に含まれるサポニンは、中性脂肪やコレステロールの増加を防いで、血糖値の上昇を抑える。また、利水作用を持つので、身体に溜まった「湿」を外に出す働きがある。むくみや身体や頭の重だるさ、めまいなど「湿邪」の状態の人はお勧めという。

「小豆ともち米で赤飯が炊けますし、白米と一緒に土鍋で煮込めば小豆粥にもなります。私がお勧めしているのは、お茶にして毎日飲む習慣をつけること」

「例えば、小豆茶は市販のティーバッグでもいいですし、小豆を買ってきて、水洗いして鍋で炒った小豆を、煎じるだけなので自分でも簡単に作ることができます。ほかにもハトムギ茶、とうもろこしのひげ茶にも利尿作用があり、むくみの解消に効果があると言われています」

オフィスにもこれらのお茶をボトルに入れて持参すれば、飲料代の節約にもつながる。気象病に効く食材を三度の食事で取るようにすれば、胃腸の働きがよくなる。

「野菜の値段が上がっている中、価格が低めで安定している『もやし』には利尿作用があります。また『シソ』は日本でも古くから食欲不振の時に薬味として使い、胃腸の働きを整えるために使われてきました。『カッ香正気散(かっこうしょうきさん)』にも配合されています」

「ほかにも鯛などの魚、インゲン豆などの豆類、カリウムが豊富なブロッコリー、ニンジン、ジャガイモはスープにして食べると一度に取れますし、胃に負担もかかりません」

「ランチタイムで外食するときには脂っこい揚げ物の定食ではなく、これらの食材を含むメニューを選ぶ方法もあります」