「ただし、漢方薬はすべての人に合うわけではなく、症状や体質など『証(しょう)』を見てお出しますので、ドラッグストアなどで購入する際は薬剤師に、体質や症状を正確に伝えましょう」

「五苓散」は、二日酔いの解消に使われるので、お酒を飲んだ翌日に「顔がむくんだ」といった症状が出たときに飲んだ経験がある人もいるだろう。

「カッ香正気散」は13種類の生薬から構成されている。夏風邪をひいたときや、冷たい飲み物を取りすぎて胃腸が冷やされることで起こる、食欲不振や全身倦怠、下痢などの症状によく使われている。

胃腸の働きを低下させる食べ物

 不調のときは薬に頼らざるをえないが、田中さんは「食事や生活習慣を少しずつ変えて、気象の影響を受けにくい体質に改善する必要がある」と指摘する。気温が上昇する日はアイスや炭酸飲料などを飲みたくなるが、甘くて冷たい食べ物・飲み物は避けたほうがいいという。

「『肥甘厚味(ひかんこうみ)』という言葉があり、『肥』は油っこい揚げ物やフライドポテトなど脂分が多い食べ物のことを言い、『甘厚』は甘くて味が濃い食べ物のことをいい、これらは胃腸の働きを低下させます」

「夏場は唐揚げとビールは最高かもしれませんが、気象病になりやすい体質の人は気圧が下がる日や雨の日だけでも我慢しましょう。また、冷たくて脂肪分が多いアイスも『脾気虚(ひききょ)』の体質の人、胃腸が弱っているときは控えたほうがいいでしょう。どうしても食べたい時は温かい飲み物と一緒に摂ることでダメージを軽減してあげましょう」

「脾気虚の体質の人は、普段から胃腸を元気にしながら気象病を防ぐ食材を積極的に取ることをお勧めしています」