具体的な事例を見てみましょう。
地元が好きで、将来は地方創生に関わりたいと考えている社会人2年目のKさん(女性)は、自分の核になる経験やスキルを身に着けるため、大学3年の夏から数社の就業体験型インターンシップに参加しました。希望していた地方創生を題材にした会社の就業体験プログラムにも参加し、やりたいことにマッチしているようにも思えました。
しかし、担当だった社員からは、すぐにできる仕事ではないと言われてしまい、その会社を志望する意欲が下がってしまいました。3社で最終選考に残ったKさんは、一度視野を広げたいと考え、地方創生とは関係のない会社への入社を決めました。Kさんは現状について「正直なところ、業界自体には興味はありませんが、何度も面談で対話を重ね、自己分析を共にし、将来地方創生に関わりたいという私の意思を受け止めてもらえている安心感が、会社への信頼につながり、期待に応えたいという意欲になっています」と語りました。
就活は人生の大仕事
じっくり時間をかけて、広く深く検討を
国内の標準的な就活は、大学を4年間で卒業する場合、3年次の夏休みから始まって、内定が解禁される翌年の6月まで続きます。つまり、8カ月ほどの間に、自分に合った就職先を探すことになります。8カ月を長いと見るか、短いと見るかは人それぞれかもしれませんが、集中的に学生には大きな負担がかかります。
そうであれば、もう少し早めに動き出して、納得できるまで内省を深め、自分らしい意思決定をするための時間を作ろうと考えるのは、よい考えだと思います。ご紹介した社会人2年目のKさんの事例がそうだったように、世の中にどういう会社があるのかを広く見て、働くことについて深く考えることによって、就職先の選択に新しい発想が生まれることがあります。
これから就活を始める人には、新しいインターンシップ制度の「オープンカンパニー」もお勧めです。大学1年でも参加することができます。業界や仕事の理解につながる情報に触れて、興味の幅を広げておくといいでしょう。