最後に中学受験大手塾、日能研が算出している合格可能性偏差値と、進学実績のおおまかな相関を紹介しておきます(図10)。

図10:合格可能性偏差値と合格実績同書より転載 拡大画像表示

「学校ガチャ」が怖い人は
住むエリアを選択しよう

「公立中学で出会った人々との経験は一生ものだ」などという理想論を語っても、実際勉強に身が入らない環境だったり、その結果我が子の進路にも悪影響になってしまったりしたらどうするんだ、という声もあるかもしれません。

 公立中学校の実態を誇張するのが無責任であれば、それを単に否定するだけなのも無責任かもしれません。そのような「学校ガチャ」が怖い方には、私は住むエリアを選ぶことを勧めています。

 これは多少差別的な発言になってしまうのかもしれませんが、住んでいる地区によって教育熱心で優秀な子供が多いエリアと、そうでないエリアがあるのです。

 どうしても公立中学校の治安が心配という親御さんは、勉強熱心な家庭が多く住むエリアを狙って住み、その学区の公立中学校に子供を通わせればいいのです。

 実家周辺に住むのが決まっていて、住まいを「選ぶ」という発想が乏しい地方と比べると、首都圏在住の方にとって住居エリアを選ぶことはそこまで違和感がないのではないでしょうか。

教育熱心なエリアの見極め方(1) 平均年収の高いエリア

 ではどうやって「教育熱心な」エリアを見極めるかというと、首都圏であればまず平均年収の高いと言われているエリアがほぼ一致すると考えられます。

 東京23区であれば、特別区ごとの平均年収ランキング上位は、1位港区(1185万円)、2位千代田区(985万円)、3位渋谷区(912万円)、4位中央区(712万円)、5位目黒区(639万円)となっています(総務省『令和3年度課税標準額段階別所得割額等に関する調査』より)。