このような上級サラリーマンが多く住むエリアでは、必然的に教育にも力が入れられ、優秀な子供が集まりがちです。特に1位の港区あたりになると、公立中学とはいえ私立顔負けの設備を有していたり、優秀な生徒が集まっていたりします。親御さんが心配しがちな「公立中学が荒れていて学力に悪影響を及ぼす」といった可能性はかなり低いでしょう。このように学区やエリアごとの平均年収を参考にするのが1つの手です。

「企業名+社宅」で検索すれば
優秀なエリアを見極めることが可能

教育熱心なエリアの見極め方(2) 在住者の主要勤務先

「教育熱心な」エリアを見極めるもう一つの方法として、そのエリアに住む人の主要勤務先を調べるというものがあります。1つ目の平均年収を調べる方法では出てこない、より細かな戦略を立てることができます。

 例えばある地区に大手金融機関の家族寮があったとすると、その学区の公立中学校には大手金融機関の子供が通うことになります。特別区全体としては平均年収がさほど高くないエリアでも、その寮の存在によってその学区だけ異様に平均年収が高いということがあり得ます。

 実際私が住んでいた愛知県豊田市では、某世界的自動車メーカーのお膝元だったため、そこで働く両親を持つ子供が多くいました。そのような家庭には優秀な子供が多く、地元の中学にも必然的に優秀な子供が集まっていました。

 東京都内であっても「近くに○○社の関係者が多く住んでいたから」優秀な同級生が多かった、というような話は結構あります。実際に私がお聞きした話に、目黒区の公務員住宅エリアにある公立中学校に通っていたSさんの事例を紹介しましょう。

 そのエリアにはキャリア官僚から一般の公務員まで、さまざまな属性の公務員一家が暮らしており、Sさんの同期には開成や筑駒をはじめ、都内トップクラスの高校に進学し、のちには東大に進学する生徒がたくさんいたといいます。