キャリア官僚の一家になると父親は東大から外務省のような典型的なエリートの場合も多く、相対的にとても優秀な生徒が多かったそうです。Sさん自身はごく普通の一般家庭で育ったため、学業の面では色々と衝撃を受けたと語っていました。またSさんが通っていた当時は相対評価だったため、中学では体育以外内申点が取りづらく、だいぶ苦労したそうです。

 もちろん公立中学なので、キャリア官僚一家だけでなく、中学・高校を出て働く一般の家庭もあったそうですが、割合としてはやはり優秀な人が集まっている地域だったとのこと。このように、ある特定の企業や職業の人が多く集まる地域だと、公立中学とはいえ学業面で恵まれた生徒がそろうといったパターンも見受けられるでしょう。

書影『中学受験はやめなさい 高校受験のすすめ』(実業之日本社)『中学受験はやめなさい 高校受験のすすめ』(実業之日本社)
じゅそうけん 著

 こういったエリアは「荒れた」中学とは程遠く、切磋琢磨して学業に専念できる環境が整っている確立が高いです。その反面、優秀な学生に囲まれた自身のお子さんが、競争に疲弊したり勉強がコンプレックスになるといった弊害も考えられそうです。

 どんな世帯が住んでいるか調べるのは教育熱心なエリアを見極め、「公立中学校ガチャ」を成功させる上で重要になってくるでしょう。

 どのような会社の寮がどこにあるのかといったデータについて体系的にまとめられたものはなく、調べるのは大変かもしれませんが、職場にいるそのエリア出身の人に話を聞いたり、「企業名+社宅」と検索するなどして、優秀なエリアを見極める参考にすることは可能です。