【1分読み切り】「続ける」ことは良いこと、と漠然と思い込んでいませんか? 逆転の発想が人生の好転をもたらすことがあります。
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【精神科医が教える】「続ける」ことは良いこと“とは限らない”決定的理由Photo: Adobe Stock

大切なことのために
大切なものを手放す

今日は、積み重ねたものを「手放す勇気」についてお話ししたいと思います。

アテクシは、自分のライフスタイルを大きく見直すため、これまで10年間続けてきたことに終止符を打ちました。10年もの間、日々積み重ねてきたことですから、当然、迷いはありました。

しかし、これからの人生をあらためて見据えて、自分にとって本当に大切なことは何だろうと考えたとき、ずっと同じことを積み重ねていくよりも、重要なことがあることに気づいたのです。

時間をベースに考える

この決断は、なんとなく漠然と考えているだけでは、実行できなかったでしょう。人は長い時間をかけて積み重ねたものに対して「もったいない」と感じ、そこで思考がストップしがちだからです。

しかし、それは物事をベースにしているからであって、「時間」をベースにして考えてみると、また違った結論が導かれてきます。

誰にとっても限りある時間のなかで、自分にとっての優先順位を考えたとき、これまで積み重ねてきたものが、必ずしも第1位ではなかったりするのです。

プライドや執着が邪魔をする

そうすると、そこには「手放す」という選択肢があることがわかってきます。このような発想を得ることによって、かけがえのない時間をより大切にすることができます。

だからといって、積み重ねたものが全部なくなるわけではありません。物理的に手放したとしても、積み重ねた記憶や経験は自分のなかに残ります。時間ベースで考えてみれば、それらが消えることは決してありません。

一方、長い間、積み重ねたからといって、そのことをずっと続けることがプライドや執着になってしまうと、それを守り続けるだけの人生になってしまいかねません。

時間の質をあげるため
今後のことを考えてみる

そうすると、自分にとってより有効な別の選択肢をチョイスした場合に比べて、時間の質が大きく下がってしまう可能性があります。

これまでコツコツと積み重ねてきたからという理由だけで、この先もずっと続けるべきだと思っていないかどうか、いま一度、見直してみることも大切だと思います。

みなさんも一度、立ち止まって、時間をベースに今後のことを考えてみてもよいのではないでしょうか?