東大卒プロ算数講師の小杉拓也氏は、次のように言います。「おみやげ算と3ステップ法を使えば『14mLの16倍が何dLか』などの問題を10秒で解くことも可能だ
同氏が執筆した『小学生がたった1日で19×19までかんぺきに暗算できる本』は、学習参考書として「史上初」となる「2023年 日本で一番売れた本(年間総合1位)」を獲得(日販調べ)。そのシリーズ第3弾で、単位換算がスムーズにできる「3ステップ法」を紹介した、『小学生がたった1日でかんぺきに単位の計算ができる本』が待望の刊行。冒頭の発言について具体的にどういうことか、同氏にうかがいました。

【制限時間10秒】「14mL×16=□dL」の□に入る数は?

おみやげ算のおさらい

さっそくですが、19×19までの暗算ができる、おみやげ算の計算法について説明します。

(例)18×13=

①18×13の右の「13の一の位の3」をおみやげとして、左の18に渡します。すると、18×13が、(18+3)×(13-3)=21×10(=210)になります。

②その210に、「18の一の位の8」と「おみやげの3」をかけた24をたした234が答えです。
まとめると、18×13=(18+3)×(13-3)+8×3=210+24=234です。

この2ステップで、例えば、11×15、16×17、19×19などの「十の位が1の2ケタの数どうしのかけ算」は、おみやげ算を使ってすべて計算でき、慣れると暗算もできるようになります。

「3ステップ法」のおさらい

次に、単位換算がスムーズにできる「3ステップ法」について説明します。

(例)「0.31km=□cm」の□にあてはまる数を求めましょう。

次の3ステップで求められます。

①「0.31km=□cm」に出てくる単位「kmとcm」の関係は、「1km=100000cm」です。

②「1km=100000cm」に出てくる1100000」に注目します。1を「100000倍する」と100000になります(1km→1×100000=100000→100000cm)。

③「0.31km=□cm」の0.31を、同様に「100000倍する」と、31000となり、□にあてはまる数が31000と求められます(0.31km→0.31×100000=31000→31000cm)。

この「3ステップ法」を使えば、長さ(cm、mなど)、重さ(g、tなど)、面積(㎠、haなど)、体積と容積(㎤、Lなど)の単位をかんたんに換算できるようになります。苦手な単位換算を得意にしたい方は、新刊『小学生がたった1日でかんぺきに単位の計算ができる本』をご覧ください。小学生はもちろん、大人の脳トレとしてもおすすめです。

上記の例で出てくる「1km=100000cm」などの、単位どうしの関係のおさえ方のコツやポイントも同書で、丁寧に解説しています。

「14mL×16=□dL」の□に入る数を10秒で答えられますか?

まず、次の問題をみてください。

【問題】□に入る数を答えましょう。[制限時間10秒]
14mL×16=□dL

まず「14×16」を、おみやげ算で解くと次のようになります。

①14×16の右の「16の一の位の6」をおみやげとして、左の14に渡します。すると、14×16が、(14+6)×(16-6) =20×10(=200)になります。

②その200に、「14の一の位の4」と「おみやげの6」をかけた24をたした224が「14×16」の計算結果です。
まとめると、14×16=(14+6)×(16-6)+4×6=200+24=224です。

これで、「14mL×16=224mL」と求められました。次は、「224mLが何dLか」を、3ステップ法で解いていきましょう。

①「224mL=□dL」に出てくる単位「mLとdL」の関係は、「100mL=1dL」です。

②「100mL=1dL」に出てくる1001」に注目します。100を「100で割る」と1になります(100mL→100÷100=1→1dL)。

③「224mL=□dL」の224を、同様に「100で割る」と、2.24となり、□にあてはまる数が求められます(224mL→224÷100=2.24→2.24dL)。

答えは2.24ということですね。スムーズに単位換算できたでしょうか。単位換算にもさまざまな方法がありますが、「3ステップ法」をそのひとつに加えてみるのはいかがでしょうか。苦手な単位換算を、きっと得意にすることができるでしょう。

※本記事は、『小学生がたった1日でかんぺきに単位の計算ができる本』の著者が書き下ろしたものです。