テクニック・その5 情報を増やす
【ポイント】
・方法から原理をさぐる。
・効率のよいチェックリストを持つ。
・分類する
・似ているものを見つける
社会に出ると、パズルを解くとき以外には幾何(図形)の知識やセンスが必要なシーンはほとんどないと思います。だとしたら、中学数学で学ぶ幾何的な内容は「無駄なこと」でしょうか?
そんなことありません!作図からは、方法から原理を見つける姿勢を、合同条件からは、効率のよいチェックリストを、各種図形の性質からは分類によって隠れた性質をあぶり出す方法を、そして相似からは似ているものを見つけることで情報量を飛躍的に増やす術を学ぶことができます。
テクニック・その6 他人を納得させる
【ポイント】
・仮定、結論を明示する
・「ならば」の理由をわかりやすく示す
・受け売りを言わない
討論番組などを見ていると、結論だけをただ連呼する人がいます。また仮定が異なる言い合いを「議論」と称する人たちもよく見かけます。そんな時、その人のバイタリティには圧倒されても、心から納得することはできないものです。
一方、数学によって証明されたこと(真理)は圧倒的な説得力を持ちます。真理は上司も政治も時代さえも飛び越える力を持っています。真理の前では何人も抗うことはできません。証明とはすなわち他人を納得させる方法です。仮定からスタートして論理的に正しく結論を導くことができれば、そしてそれを他人が理解できるように表現できれば、誰もがあなたの意見に耳を傾けることでしょう。中学数学ではそのための基本を学びます。
テクニック・その7 部分から全体を捉える
【ポイント】
・「代表」を選ぶ
・直感を頼りにしない
・偏りなく混ざっているデータを使う
情報化社会に生きる私たちにとって、膨大なデータをどう取り扱うかの指針を持つことは必須の能力です。そのための強力な武器が統計であることに誰も異論はないでしょう。
中学数学ではまず記述統計(全数調査によって得たデータを使いやすく変形する)の基礎を学び、その後確率を学んでから、最後に推測統計(標本調査から全体の特性を確率的に予想する「推定」と得られたデータの差に意味があるかどうかを検証する「検定」を行う)の入り口をのぞきます。