パンデミックや災害に遭っても
できることはいくらでもある
山中哲男 著
「だとしたら、今は来られないかもしれないけれど、来たい人たちのニーズを満たすような情報発信とかあるかもしれませんね」
「確かにそうですね……」
「日本に来たい人たちと積極的にコミュニケーションをとるのもいいかもしれません」
「その発想はなかったので早速、社内で検討していきたいです」
「人の移動が再開したら、すぐにスタートダッシュを切れるような準備を今しているかが重要になりそうですが、他に何かアイデアはありますか?」
「今はまだ考えられていませんが、ネクストアクションの方向性が見えました」
事業を推進するうえで、何もやれないということは決してありません。海外人材が移動できなくなってしまったからと言って、完全にお手上げ、というわけではありませんよね。コロナ禍で時間の余裕ができたからこそ、ゆっくり1人ひとりとコミュニケーションがとれるかもしれません。あるいは、外国人が日本にやって来るときの課題を直接外国人から聞き出し、その解決策を模索することもできます。それは、対面にこだわらずウェブミーティングでも十分できます。
目指すことの1つは、多くの外国人を日本に連れてくることかもしれません。しかしそれは、いわゆる「クロージング」です。クロージングに直結する活動はできなくなっても、できることは限りなくあります。
コロナ禍は、一応の落ち着きを見せています。しかし、パンデミックや災害はこれから先も起こるでしょう。外的要因は行動できない理由にしてしまいがちですが、そういうときこそ種まき相談の絶好の機会なのです。
種まき相談を活用するには、次の3つの心構えが効く。
(1)偶然を活かす心構えをしておく
(2)全体像を説明できるポンチ絵を用意しておく
(3)誰もが動きを止めているときにこそ動く