というより、バンドタイプリングやエタニティリングを婚約指輪にされることを、私は強くお薦めします。小粒石は1つひとつの輝きは弱いですが、カットスタイルや組み合わせにより、一粒石のリングとは違った魅力を放ちます。ソリテールのように指から石が突き出すデザインでもないので、日常づかいをしても邪魔になりません。同じお金を出すなら、贈られた相手が身に着けたくなるようなものを選ぶのが得策。「タンスの肥やし」になることもないはずです。

 バンドタイプリングであれば、20万円台からでも質のいいものが手に入ります。宣伝するわけではありませんが、正確な情報を提供するという意味で、私どもSUWAの例をご紹介しましょう。

 リングの半周に小粒ダイヤを15個並べたバンドタイプリングは約24万円から手に入ります(2023年12月時点)。前述したように、小粒のダイヤモンドは面数を少なくし、一面あたりの面積を大きくしたほうが輝くため、すべて17面のシングルカットを選んでいます。一粒のサイズは0.018カラットですが、これを15個並べることで「輝きの連鎖」が生まれ、バンドタイプリングらしい上品な美しさを楽しむことができます。

手が出しやすい価格の
「メレーのソリテール」はNG

 補足をすると、ダイヤモンドの研磨地はタイまたはインドで、「GQ(ジェムクオリティ)」と呼ばれる最上級品質のダイヤを使用。地金は、純度95%のプラチナです。

 他の宝石店でも、おそらくこの価格帯のバンドタイプリングは発売されていると思いますので、実店舗に出かけて探してみるといいでしょう。構想と仕立ての良いバンドタイプリングは繰り返し使え、価値を持ち続けます。購入する際は、小粒石の色の濃淡や“顔”(見た目の印象)が揃っているものを選ぶことが大事です。

 なお、0.2カラットより小さいダイヤモンドを「メレー」といい、こうした小粒のダイヤモンドはバンドタイプリングのように複数個を連ねたり、主石の周りに敷き詰めたりして使われるのが一般的です。手を出しやすい価格帯だからといって、メレーのソリテールや、メレーを主石のようにセットしたリングを購入するのは、おすすめしません。アクセサリーと割り切って使われるのなら止めはしませんが宝石としての資産性は皆無だと思ってください。

 その理由は、ここまでお読みになればもうおわかりのはず。「腐っても鯛」ならぬ「極小でもダイヤモンド」は通用しないのです。