考えるだけでおぞましい…生物学者が考え出した「ちょっとどうかしてる」思考実験とは?写真はイメージです Photo:PIXTA

「自分の頭で考える力」がないと、情報に振り回され、ルール通りにしか動けない消極的な人間になりかねない。「考える力」を身につけることは「生きる力」になるのだ。そこで注目したいのが、楽しみながら思考力を鍛えられる「思考実験」。あなたは、学者の問いかけにどう解答する?※本稿は、笠間リョウ氏『頭がいい人の論理的思考が身につく!大人の思考実験』(総合法令出版)の一部を抜粋・編集したものです。

「思考実験」とは考えるゲーム
楽しみながら思考力を鍛えよう

 これからを生きる大人にとって「自分の頭で考える力」が必須になってきました。

 テクノロジーが飛躍的に発展し、1年後の予測も困難な時代です。このような時代を生きる私たち大人にとって、「自分の頭で考える力」の重要度が年々高まっています。「自分の頭で考える力」がないと、情報に振り回され、ルール通りにしか動けない、消極的な人間になってしまいます。

 私は、「自分の頭で考える力」を高める一番の近道が思考実験をすることだと思っています。思考実験は、実際に何かをやるわけではなく、頭の中で考える実験のことです。

 今を生きている大人にこそ、楽しみながら思考実験をしてほしいと思っています。

 思考実験は基本的には、新しい技術や学説、考え方、今まで見落とされていた考えを「前提」として、ある「仮説」や「結論」を導き出すものです。実際には設定できない条件を設けて、頭の中で推論を重ねていく実験のことを思考実験といいます。

 こうやって聞くと、「難しそう」「自分とは関係がない」と思うかもしれませんが、思考実験とは簡単にいうと考えるゲームです。

 つまり、実際に物を使ったり、場所を変えたりするのではなく、想像力を使って新しいアイデアや考えを見つける方法です。

 たとえば、あなたがおもちゃのロボットをつくることを考えているとします。でも、そのロボットにどんな機能をつければいいのか悩んでいます。そこで、思考実験を行います。

 頭の中でロボットができたら、何をするかを考えます。ロボットが家の掃除を手伝ってくれたり、ごはんをつくってくれたり、おしゃべりをしたりすることができるかもしれません。そうやって、頭の中で具体的に想像してみるのです。これが思考実験です。

 思考実験をすることで、新しいアイデアを考えたり、問題の解決策を見つけたりすることができるようになります。これは、仕事や学校や日常生活で非常に役立ちます。

 思考実験をすると、自分の考え方や想像力が広がるので、楽しみながら思考力を鍛えることができるはずです。