考える力を会得することは
「生きる力」になる

 私たちは日々、仕事、友達、家庭、学校を問わずにさまざまな問題と直面をしています。仕事であれば、いつも使っている解決の手段があるかもしれません。しかし、いつもの手段は本当に正しいのでしょうか?

 ときには、1から違う論理で考えて別の方法を試すべきかもしれません。もしくは、疑問点を見つけて、質問を重ねることで新しい答えが見つかるかもしれません。

 人生は答えのないことの連続なのです。

 思考実験にはよく「パラドックス」という言葉が頻繁に出てきます。

「パラドックス」とは正しいようで実は矛盾が生じていたり、正しい考え方をしても答えに矛盾が生じてしまうようなことをいいます。このように答えがない問題を解くことはこれからの時代を生き抜く上でとても役に立ちます。

 考える力を身につけることは「生きる力」になります。人の思考は考えれば考えるほど柔軟になっていきます。思考実験は考えを深めるための最高の遊びなのです。

 その中で、思考実験は特に論理的思考力を身につけるのに役に立ちます。

 論理的思考力を身につけるためには、私が考えるには次の6つの手順があります。思考実験をするとその6つの手順が勝手に身につきます。

(1)問題の分解
 論理的思考を身につけるためには、まず問題を細かく分解することが重要です。問題が何であるかを理解し、その要素や影響を考えてみましょう。

(2)情報の収集
 問題についての情報を集めましょう。情報を集めることで、より正確な判断を下すことができます。信頼できる情報源から情報を収集することが重要です。

(3)仮説を立てる
 問題に対する仮説を立てます。これは、問題に対するあなたの考えや予想です。仮説は根拠に基づいている必要があります。

(4)推論を立てる
 仮説を検証するために、論理的な推論を行います。これは、あなたの考え方を根拠として論理的に説明することです。因果関係や関連性を考えながら、推論を立てていきます。

(5)反論の可能性
 自分の仮説や論理的な推論を検討し、反論できる可能性があるかどうか考えましょう。他の視点や情報を考慮することで、より客観的な判断ができます。