「この株は売り? それとも買い?」投資シミュレーションのようにクイズを解きながら「株で勝つ技術」を身につける『株トレ 世界一楽しい「一問一答」株の教科書』の続編『株トレ ファンダメンタルズ編』が発売した。前作はチャート分析がテーマだったが、今作は企業の業績や財務の読み方を中心とするファンダメンタルズ分析を扱う。著者は、ファンドマネジャー歴25年、2000億円超を運用してTOPIXを大幅に上回る好実績をあげたスペシャリストの窪田真之氏。何万回にも及ぶ膨大な数のトレードを経て確立した「株で勝つ技術」を1冊に凝縮した本書から、特別に一部を抜粋して紹介する。
大手小売業が最高益更新の理由
大手小売業に、最高益を更新する会社が多数あります。人口が減少する日本で、なぜ小売業が成長するのでしょうか。
最高益を更新する小売大手に、以下のような特色があります。
1. 海外で成長
小売業がアジアや欧米で成長する時代となりました。特にアジアで成長が加速しています。
アジアで富裕層が育ち、消費が安定的に成長する時代となったからです。
日本の厳しい消費者に鍛えられた小売業は、アジアでも高い競争力を持ちます。日本のビジネスモデルを現地仕様に修正しながら、ビジネスを拡大させています。
カジュアル衣料品店「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングはアジアで利益を成長させています。
「セブン-イレブン」を展開するセブン&アイHDは、米国でコンビニ事業を成長させています。
2. 製造小売業として成長
商品を仕入れて売るだけでは利益を稼ぎにくい時代となったため、小売業が積極的に自社ブランド品を作るようになりました。
利益率の低いナショナルブランド品の販売を減らし、自社開発のプライベートブランド品を増やすことで競争力を高め、売上収益を成長させました。
商品開発から生産・在庫管理までやるので「製造小売業」とも言われます。
住居製品・家具を扱うニトリHDやファーストリテイリングなどが、製造小売業として成長しています。
3. ネット販売で成長
ネット販売が本格成長期を迎えています。MonotaRO、ZOZOなどがネット小売成長企業の代表です。