新NISAでは、非課税口座で生じた損失は「ないもの」とみなされるため、損失の繰り越しができず、税制上の優遇措置は得られない仕組みになっています。

 新NISAの一番の魅力は、非課税投資枠が大幅に拡大されたことにありますが、利益が上がっていなければ、非課税のメリットを受けることができず、損益通算や損失の繰り越しもできないため、何の恩恵も享受できないことになります。

 企業の配当金があれば非課税の恩恵が受けられますが、無配が続いた場合は、何のメリットもありません。

 利益が出なければ、新NISAの旨味は味わえない……。

 これが新NISAを活用する際の最大の注意点といえます。

「ここがダメなら日本経済も終わり」
と思える有力企業の株を買え

「利益が出なければ、新NISAのメリットを活かせない」ということは、利益さえ出れば、最大限にそのメリットを享受できるということです。

 そのためには、現在も過去も業績が堅調で、多少の凸凹はありながらも、この先も配当金を出し続けて、増配の可能性も十分にある……と考えられる企業の株を買って持ち続け、持ち株数を増やしていくことが大切です。

 新NISAの誕生によって、非課税投資枠が拡大され、永続的に非課税枠を活用できるようになったということは、配当株投資の成長エンジンである「増配」の恩恵を受けるチャンスが大幅に広がったことを意味しています。

 このチャンスを上手に活かすことができれば、新NISAと配当株投資の両方のメリットを最大限に引き出すことになり、利益を積み重ねていくことができます。

 どうすれば、そんなことが可能になるのか?

 大事なポイントは、「この企業がダメになったら、日本経済も終わりだな」と思えるような「稼ぐチカラ」+「安定感」+「実績」のある企業を選んで、その企業の株を買い進めて、持ち続けることです。

 配当株投資は、あくまでも「投資」ですから、不測の事態が起こって、自分の思惑通りにはいかないこともたくさんあります。