女子校の受験生が言う「先生」とは
在籍校の教師ではない場合が多い?

 難関校向け進学塾は女子校にも浸透している。20年工学部に合格した女子(兵庫・神戸海星女子学院)は中学1年から高校卒業まで研伸館に通った。

「オープンキャンパスで情報工学の模擬授業を受けて、その内容に興味を持ちました。(略)先生が中3の間に数IAの基礎を固めましょう、と仰っていたので、青チャートを繰り返し解きました」(研伸館案内「強者の戦略2020」)。

 この「先生」とは塾講師を指す。

 22年医学部医学科合格の女子(兵庫・神戸女学院)は中学1年から鉄緑会通いを続けた。

「本格的に鉄緑会の勉強に取り組むようになった高1では、先生方の指導や面白い授業、鉄緑会のおかげで、高2になるまでには英数を安定させることができました」(「鉄緑会大阪校 合格実績と合格者の声」2022年版)。

 学校の授業との優先順位が気になる。

 16年に始まった特色入試入学者では女子比率が高く、17年には71人、58.7%となった。

 22年文学部に特色入試で入学した女子(神奈川・洗足学園)の合格作戦は次のとおり。

「私は、とにかく日本史が好きなことと、現場を実際に訪ねて学ぶ自身の性格をアピールしました。小学生で大河ドラマを見て日本史に興味をもってからは日本各地の史跡や博物館を訪ねていること、公共活動として神奈川県内のNPO法人を取材して記事を書いた経験を『設計書』に書きました」(京都大学案内「知と自由への誘い2023」)。

 25年度入試で、法学部の特色入試が学校推薦型選抜へ変更されるとの発表があった。これに伴って同学部の後期日程は廃止となり、全学部で後期日程がなくなった。学校が推薦できる人数は各校2人までで、男子の上限を1人とした。女子校は1校2人でも認められる。経済学部ではすでに学校推薦型を導入しているが、今回規定を変更し、男子の推薦人数に上限を設けた。これらは「女子生徒の受験を促す目的」(入試企画課)とされる。女子校にはアドバンテージとなる。