系列の女子大に進学せず
他大受験を選ぶ生徒が急増

 1980年代以降、大阪女学院、四天王寺(以上、大阪)、親和女子、神戸海星女子学院、小林聖心女子学院(以上、兵庫)からの合格者が増える。これらはみな大学の附属、系列校である。前出の京都女子、同志社女子、神戸女学院、ノートルダム女学院などすでに難関校合格実績がある女子校にも、系列の大学がある。だが、そのままエスカレーター式で女子大に進む者は次第に少なくなっていく。たとえば京都女子大より関関同立志向が強かった。

 20年医学部医学科合格の女子(四天王寺)はこう綴っている。

「大学生になって周りの友達の勉強方法を見て、いかに四天王寺の人たちが真面目でコツコツ努力していたかを痛感しました。日々の小テストや課題の取り組みが、地道に勉強する力に繋がっていたのだと思います」(高校ウェブサイト)。

 四天王寺は文理選抜、文理、文化・スポーツのコースに分かれている(コースは2022年度に改編)。1986年に初めて合格者を出し、98年24人、2002年37人、10年40人を京都大に送り出した。

 系列の四天王寺大は1981年、四天王寺女子大から四天王寺国際仏教大に改称し共学化した。2008年に現校名に変わった。それゆえ、高校の共学化もあり得ない話ではない。学校名に「女子」が付かないので、校名を変更せずともブランド力は保持できる。

 1960年代から1990年代まで、神戸女学院が多くの年で女子校トップの座にあった。ところが2000年以降、京都大が合格者を名前ではなく受験番号で発表するようになり、メディアが合格者氏名から出身校を割り出すことが不可能になった。

 神戸女学院は大学合格実績を公表しないため、同校の東京大、京都大合格実績は今日まで20年以上、わかっていない。関西の私立女子中学の難易度は四天王寺、神戸女学院、同志社女子、京都女子、神戸海星女子、甲南女子の順となっている(浜学園の偏差値など)。神戸女学院は四天王寺と同じかそれ以上に合格者を出してきたといっていい。

 2010年代には神戸海星女子学院からの合格者が増え、2010年10人、13年9人を数えた。系列の神戸海星女子学院大は24年度以降の学生の募集停止を発表した。親和女子については、系列の親和女子大が23年に神戸親和大に改称し共学化した。これによって、将来的に親和女子は神戸親和という共学校に生まれ変わる可能性がある。

図表:京都大に強い女子校1988-2004同書より転載 拡大画像表示