自分は男性脳?それとも女性脳?
実際の性別と一致するとは限らない

 脳に「男性脳」と「女性脳」があるという説をご存じですか?

 男性脳と女性脳では、右脳と左脳を結ぶ「脳梁」と呼ばれる部位の一部に違いがあると言われています。女性脳のほうが男性脳よりもその部分が太いのです。

 通信のケーブルが太いほうが大容量の情報を一度に送ることができるように、脳梁が太いほうが右脳と左脳の情報のやり取りがスムーズになります。そのため、諸説ありますが、女性脳は左右の脳を一緒に使う、男性脳は左右の脳を分けて使う傾向にある、と考えられています。

 また、男性脳と女性脳は分泌されるホルモンにも違いがあり、それが感情にも影響してきます。たとえば、「エストロゲン」という女性ホルモンと、「テストステロン」という男性ホルモンもその1つです。

 エストロゲンは生理周期を作り、肌や髪を美しく保つもとになっています。そのほかにも出産に備えて痛みに強く、丈夫で柔らかな体を維持するように働きます。また、エストロゲンはセロトニンの生成にもかかわっていると言われ、不足するとセロトニンも減少してしまいます。そのため女性が更年期に入ると、イライラしたり憂鬱な気持ちになったり、感情をうまくコントロールできなくなるのです。

 一方、男性ホルモンのテストステロンは、攻撃性や性欲、支配力、競争意識などに関係しています。また、大脳の扁桃体に働きかけ、ネガティブな感情を抑制すると言われています。テストステロンが減少すると、意欲が低下したり、ネガティブな感情が表れたりして、いわゆる男性更年期のような状態になってしまいます。

 男性脳・女性脳という言い方をしていますが、それが実際の性別と一致するとは限りません。実際、胎児の時はみんな女性脳で、男性脳になるかどうかは、胎児の時に男性ホルモンを浴びるかどうかで決まるそうです。エストロゲンは少量ながら男性でも分泌されますし、テストステロンは女性でも分泌されています。つまり、男性脳・女性脳の度合いには個人差があるということです。