回答のポイント:国土面積を起点に、コンビニの軒数を推定する
推計に利用できそうな情報を日常的な景色の中から選び取り、ロジックを組み立てましょう。
以下が解答例です。
コンビニの軒数を推定するアプローチを共有する
今回、私はコンビニの軒数を、次のように求めます。
コンビニの軒数(軒)
=「コンビニがあるエリアの面積(㎢)」×「単位面積あたりのコンビニの軒数(軒/㎢)」
まず、コンビニがあるエリアの面積については、国土面積を人が居住するエリアと居住していないエリアに分け、後者にはコンビニがないと仮定します。
人が居住しているエリアでも、場所によってコンビニの軒数もバラつきが見られるため、次のように都市と地方に分けて考えます。
次に、単位面積あたりのコンビニの軒数については、次の図のようにコンビニ間の距離をLkmと仮定すると、L2㎢に1軒のコンビニがあると考えることができるので、1㎢あたりのコンビニ軒数は、1/L2と設定できます。
具体的な数値を設定し、コンビニの軒数を推定する
日本の国土面積はおよそ40万㎢。このうち、人が居住しているエリアは国土の半分にあたる20万㎢と仮定します。
さらに、都市は1割、地方は9割を占めるとすると、都市は2万㎢、地方は18万㎢と計算できます。
次に、コンビニ間の距離を考えます。
私の経験を踏まえて、都市では徒歩圏にコンビニは立地していると考えて0.5km、地方は自動車で5分程度移動すればコンビニに行けると考えて4kmとします。
この時、単位面積あたりのコンビニ軒数は、次のように求まります。
【都市】
1/(0.5×0.5)=4(軒/㎢)
【地方】
1/(4×4)≒0.06(軒/㎢)
以上より、都市のコンビニ軒数は8万軒、地方のコンビニ軒数は約1.1万軒と求まります。よって、日本にあるコンビニの数はおよそ9.1万軒と推定します。
以上となります。ありがとうございました。
面接官からの質問
──面積からコンビニの軒数を推定しようと考えた理由を教えてください。
私の家から駅まで歩くと数軒のコンビニを通り過ぎます。この距離感を念頭にして、コンビニが一定の間隔で並んでいると仮定すれば、面積あたりのコンビニ軒数が求まると考えたためです。
なお、私は東京に住んでいますが、人口が少ない地方の場合はコンビニの密集度合いは東京より低くなることが考えられます。
そこで、日本の国土面積のうち、人が居住しているエリアを都市と地方に分け、それぞれのコンビニの密集度合いを考えることで日本全体のコンビニの軒数を推計できると考えました。
──都市部と地方部とは、どのように区分けされたのでしょうか?
都市は人口ランキングが上位10%に入る市区町村、地方はそれ以下の90%の市区町村を想定しました。
──今回の推定について、現実と乖離しそうな点があるとすれば、どこだと思いますか?
今回の推定では、都市と地方の比率や、コンビニ間の距離について私の感覚的な数値を用いているので、ここで生じる現実との乖離が大きそうです。
特に、コンビニ間の距離は単純化のために都市で0.5km、地方で4kmとしましたが、この2つの数値の差が大きく、推計結果を大きく左右しそうです。
私の推計では、人口上位10%の市区町村に全体の約90%のコンビニがあるという結果になりましたが、偏在している傾向が強すぎるので、少し違和感を覚えています。実際には、都市と地方のコンビニ軒数の差はそこまで大きくない可能性が考えられます。
(本稿は『問題解決力を高める 外資系コンサルの入社試験』から一部を抜粋・編集したものです)