初対面の相手であればあるほど
一時的な性的興奮の火花が散る

 エステル・ペレルは「私たちが夜に興奮することは、日中、反対していることと全く同じである」と述べている。

 彼女は『セックスレスは罪ですか?』でキャンディとジミーというカップルについて書いている。ジミーは信頼でき、知的で優しい。2人は素晴らしい生活を送っており、まさにキャンディスが求める資質をジミーは持っている。

 問題は、彼が彼女の欲望をかき立てないことだ。思いやりのある性格は、まさに彼女が一緒に暮らしたいと思う相手に求めるものだ。しかし、まさにその資質のためにセックスしたい相手ではなくなってしまうのだ。彼の思慮深さはベッドでは機能しない。2人は揃って「ベッドでの心遣いは素敵だけど、興奮はしない」と言う。「愛おしいけどセクシーではない」と。

 良いセックスは必ずしも民主的でもフェアでもない、とペレルは書いている。それどころか、未知の生々しい無法地帯であったり、力関係の変化、つまり支配と服従であったり、冒険や多様な変化であったりする。攻撃性と創造性が日常生活における自分の役割や責任を手放させ、まさにその瞬間、その場に存在していることそのものが重要になる。

 そのため、初対面であればあるほど一時的な火花が散る。慣れ親しめば親しむほど欲望は薄れていく。一般的には。浮気の研究はまさにこれを裏づけている。

書影『不倫の心理学』(新潮社)『不倫の心理学』(新潮社)
アンジェラ・アオラ著、安達七佳訳

 同棲であれ、結婚であれ、パートナーシップが続けば続くほど浮気のリスクは高まる。既婚女性の不倫の確率は7年目にピークに達し、その後は減少する。男性の場合、不倫のリスクは18年目まで徐々に減少し、その後、上昇に転じる。

 別の研究では、私は朝食の紅茶をむせ返らせるような結論を読んだ。パートナーの妊娠中や出産後の数カ月など、パートナーシップの特定の時期において男性が浮気をする可能性は高まるというものだった。

 しかし希望はある。ある研究によれば、情熱は長期的な関係でも燃やし続けることができる。それは、パートナーシップに緊張感とサプライズを演出できるかどうかにかかっている。2人の関係が強い感情的反応を引き起こし続ければ、情熱は高まるのだ。また、パートナーを当たり前の存在だと思わなくなることで浮気に強い愛情は育める。