さらに、政治家が経済政策をやろうとすると、どうしても利権がらみで自分の支持団体にお金をばらまいてしまいがちです。

 日本がコロナ禍にあった中で、無理やり「Go To トラベル」を推し進めた二階幹事長と旅行業界の関係。さらに同時期に行われた「Go To Eat」についても、当時の菅義偉首相の利権がらみの思惑が取り沙汰されています。「Go To Eat」が飲食店よりグルメサイトを儲けさせる制度になったのは、菅首相と「ぐるなび」会長の特別な関係が影響していたともいわれています。

 このように、政治家が経済政策をやろうとすると、どうしても仲の良い企業に対してお金を配るというやり方をしてしまうのです。

産業を発展させるには日本発の
クラウドコンピューティングを

 日本の産業を発展させる上で、どういう企業が儲かったほうがいいのかということを考えた場合、GMOやさくらインターネットに多額の予算を突っ込んで、AWS(Amazon Web Services)のサーバーサービスや、グーグルがやっているGCP(Google Cloud Platform)みたいなものを作らせたほうがいいと思います。

書影『税弱な日本人からふんだくるピンハネ国家の不都合な真実』『税弱な日本人からふんだくるピンハネ国家の不都合な真実』(宝島社)
ひろゆき 著、根本和彦 監修

 今、企業が研究開発に割けるお金は潤沢でないので、クラウドコンピューティングを利用しようと考えると、たいてい主流のGCP、AWS、Microsoft Azureのどれかを選んでしまいます。しかし実は、日本の企業に予算を与えるだけで、同じものが開発できるのです。

 誰も作ったことがない新しいものは、本当に天才がいないと作れません。しかしGCP、AWS、Azureの3つは仕様がわかっているので、日本企業でも作ることが可能なのです。API(Application Programming Interface)レベルで同じような機能を提供するソフトウェアに関して言えば、まだ海外の企業と比べても競争力で劣らないこういう分野に予算を投入したほうが、長期的には日本の産業発展に役立つと思います。