正解は、③売り。

ファンダメンタルズ分析だけでは判断が遅れる

 A社は実在の会社で、この後、株価は549円まで下落します。画期的な新サービスを出したには違いないものの、利益を生まず、業績低迷が長期化しました。

 ただし、そうしたことがすべてわかるのは、新サービスをリリースしてから2年が経ってからです。新サービスを出した直後は、まったく利益を生まないサービスになるということがわかりませんでした。

 小型成長株への投資には、当たり外れがあります。当たれば株価が倍以上に上昇するが、外れると半値以下になる銘柄もあります。ファンダメンタルズを一生懸命分析しても、未来を正確には予測できません

 小型成長株投資で大ケガしないためには、ファンダメンタルズ分析だけでなく、テクニカル分析も駆使すべきです。株価に強い売りシグナルが出ている時は、チャートに従うべきです。

テクニカル分析は、大衆の英知の結集

 もし、あなたがビルの階段を上っている時、上からたくさんの人が恐怖の表情を浮かべて階段をかけ下りてきたらどうしますか?

 なんだかわからないけれど、何かの危険が迫っていると考えて、一緒に階段をかけ下りるのではないでしょうか。チャートで売るとはそういうことです。

 A社の株価チャートは、ちょうどそのような状態。急落している時に売買高が急増しています。

 多くの人が大あわてで逃げてきていることがわかります。ここで買い向かう(階段をのぼっていく)のは危険すぎます。

 株価はここからさらに大きく下がる可能性があるので売るべきです。損切りも利益確定も関係ありません。危険を避けるのが最優先です。

 「専門家が画期的な医療サービスとして高く評価」とありますが、こういう時の専門家コメントは、信頼できません。専門知識のない大衆投資家が野性のカンで売っている事実のほうが重要です。

(本稿は、『株トレ ファンダメンタルズ編』から抜粋・編集したものです。)