カウンセリングサービスのウェブサイトはここをチェック

 近年増えてきたオンラインカウンセリング機関と、従来の対面カウンセリング機関ではウェブサイトの作り方がかなり違っていることもあるので、一概には言えませんが、料金体系やFAQが詳細にわたって記載されていて、在籍カウンセラーの資格・経歴・専門性・得意なアプローチについて明記されていることは、機関や担当者を選ぶ際の重要な情報になります。

 また、過剰に効果をうたったり、最新技術をアピールしている場合は、同様の問題に取り組む専門家集団(職能団体や学術会議)が打ち出している標準的なアプローチと、そのアプローチとを比較してみることをおすすめします。

 なお、カウンセラーを探す際には日本臨床心理士会が運営する「臨床心理士に出会うには」というサイトも役に立ちます。

「料金」に振りまわされないことも大切

 カウンセリングを継続的に利用するならば、料金の問題はとても大事な要素のひとつです。大学の心理教育相談室は市中の相談機関に比べるとリーズナブルな料金設定であることが多いので、通える範囲にあるか探してみるとよいでしょう。また、機関によっては、低所得者割引、きょうだい/親子割引などが設定されている場合もあります。

 一方で、「料金が高いほうが、効果が高いのでは?」と考えてしまうのは無理もありませんが、あくまで個人的な見解ながら、カウンセリングの料金と効果は実際には関係がないと思います。むしろ、問題とアプローチの組み合わせ、担当者との相性、面接頻度などのほうが面接経過への影響は大きいでしょう。

 普段は冷静で思慮深い人でも、深刻な状況に追い込まれて、焦っていたり、余裕がなかったりすると、分かりやすい基準で選んでしまうこともあるかもしれません。まずは前出の5つの条件をじっくり考慮して、カウンセラーを探してみてください。(カタリバ・アドバイザー 成田慶一(Ph.D./臨床心理士/公認心理師))

 *本記事は、「NPOカタリバがみんなと作った 不登校ー親子のための教科書」から抜粋・編集したものです。