日本の回転すしチェーンが中国に上陸し、大衆の支持を得ているのは、中国人の“ホンモノ”志向が高まっているからに他ならない。20年ほど前、筆者は中国人の友人に連れられて、北京市内の日本料理店に行ったが、出てきた天ぷらは形が崩れていて、これでこの値段を取る気なのか…?というレベルだった。その友人から、「日本の天ぷらと変わらないですか?」と笑顔で聞かれ、非常に困惑したのを覚えている。

 それが今は、インターネットが発達して日本の情報が得やすくなったことで、ホンモノの日本料理とは何か、中国人も知っている。そのため、ニセモノの日本料理を出すような店は見向きもされなくなり、ホンモノの日本料理を提供する店が選ばれるようになっている。

北京の「はま寿司」中国人の評判は?不況で財布のひもが固くなる中国市民の「日本好き」最前線注文用のタッチパネルは中国語だけかと思いきや、日本語バージョンもあった。一部のすしは日本のものと違った感じがするが、全体的に味は悪くない。値段は1皿10元(約200円)ほどで、日本のはま寿司よりやや高い印象だ。「炙り大切地中海産本マグロ中とろ」(1カン15元、約300円)や、「アワビ醤油炙り」(1カン10元)といった1皿1カンの、プチぜいたくメニューもあった(筆者提供写真)
北京の「はま寿司」中国人の評判は?不況で財布のひもが固くなる中国市民の「日本好き」最前線枝豆やたこわさびなどのおつまみをはじめ、サイドメニューやデザート、ドリンクも豊富だ。「火鍋」もある。調子に乗るとついつい注文し過ぎてしまいそうだ(筆者提供写真)
北京の「はま寿司」中国人の評判は?不況で財布のひもが固くなる中国市民の「日本好き」最前線店内は、日本と同じような雰囲気。飲食店の検索・紹介アプリには「この店はいつも並んでいるから、時間をずらして行ったほうがいい」というコメントもあった(筆者提供写真)