「歳をとった親が言うことを聞いてくれない」。誰もが一度はこんな経験をしているのではないでしょうか。「親がいつまでも自分のことを若いと思っている」「病院ギライがなおらない」「お酒の量が減らない」などその悩みはさまざまです。親のことを思って言ったのにもかかわらず、いつも喧嘩になってしまうのは、実は伝え方に問題があります。そんな問題を解決すべく、この夏『歳をとった親とうまく話せる言いかえノート』が発刊されました。今回は出版を記念して本文の一部を抜粋・再編集してお届けします。

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「親がいろいろと口出しをしてくる!」家庭は多い

「老いの繰り言」という言葉があります。高齢者が、言っても仕方ないことをくどくどと繰り返すことです。

 私の友人は、お母様から「海に行くのは危ないからやめなさい」と言われ、なかなかレジャーを楽しめないと悩んでいました。

 そのお母様は、ニュースなどで見聞きする「海や川での水難事故」に大きな恐怖心を抱いているようです。「毎年、海や川で多くの人が死んでいる。事故に巻き込まれるかもしれないから、海に行くのは中止しなさい」というわけです。

 こんなとき「私の勝手でしょ」という言葉が、思わず出そうになります。しかし、これでは口論に発展してしまいます。

 もちろんあなたの気持ちもよくわかります。「そんなに何回も言わないでもわかるよ!」と誰でも思いますし、むしろ何度も言われることで反発したくなることもありますよね。

 だからと言って口論になってしまっては意味がありません。理想は皆さんの思いを伝えつつ、親に納得してもらうことですよね。