部下とのコミュニケーションも「相談頻度」が大事
相談できる良きパートナーになろう

 前回と併せて、今回の記事をここまでお読みいただいた方はお気付きになったでしょう。そうです、これも「相談の頻度」の話なのです。

 もらったアイデアを受け止めて、フィードバックし、次なる提案を促す。そうすると、自然と、若手からの相談の機会が増えます。「この考え方で良いか」「こういう方向性で合っているか」「このアイデアについてどう思うか」などなど、アイデアを考えるパートナーとして、あなたに話しかけるようになるはずです。

 気難しい役員や上司とのやりとりと同様に、若手社員ともお互いの考え方をすり合わせるようにできれば、変な忖度や勘違いが減ります。また、組織の風通しも良くなります。これが、組織運営をうまく行うために非常に大事なポイントです。

 最後に、「寄り添い」「大きな目的を伝えて」「今後の提案を促す」――これら3つのポイントを踏まえ、若手社員からの提案にコメントを求められた際に、どのような対応を行うべきか考えてみます。前回記事でも少し触れた「若年層を取り込むための提案」について、「人気アイドルのCM起用」「低価格商品の投入」というアイデアが出てきた場合を想定して、具体例な返答例を挙げます。参考にしていただければ幸いです。

「ありがとう! 非常に面白い提案だと思います。○○さんの提案は、既存の顧客層の年齢が年々上がっていく中で、若年層を新しく開拓したいというお話だよね。その視点には非常に同意します。まさにそれは会社として抱えている課題の重要なポイントです。

 しかし、そのための打ち手が『価格の引き下げ』と『アイドルのCM起用』というのは、打ち手としては網羅性に欠けているかもしれません。会社としては、このブランドを中核商品と位置づけているから、値下げはブランド価値の崩壊を招くリスクがあるかもしれないな、と思ってしまいます。

 また、アイドルを起用したことで既存客が離脱してしまうとなると、これも売り上げの低下につながるリスクがある。会社としては『既存客を維持しつつ、新規顧客として若手層を取り込みたい』という非常に難しい課題に直面しているわけです。

 片方だけを解決できる打ち手では、もう一方がうまくいかない。私も、前々から考えてみているのですが、なかなか良い答えにたどり着けていません。

 この状況を踏まえた時に、○○さんなら、どういうアイデアを出せますか? ぜひ、考えてみて、再度提案してください