JAXAからの声掛けに
JR西日本が逆提案
JAXAは2018年5月、「異分野の人材、技術、資金などを糾合するオープンイノベーションに係る取り組みにより、ベンチャーから大企業までさまざまな新しい民間事業者等と共に、宇宙分野に閉じることのない技術革新、イノベーション創出を目指」すため、民間事業者と新たな発想の宇宙関連事業の創出を目指す宇宙イノベーションパートナーシップ(J-SPARC:JAXA Space Innovation through Partnership and Co-creation)の枠組みを構築した。
既に30を超えるプロジェクトが動き出しており、固体ロケットの発射場を自ら保有するスペースワン株式会社や、東北大学発の宇宙ベンチャーElevation Spaceなどの宇宙関連企業に加え、車載機器専門商社である東海クラリオンとの衛星通信を活用した自動運転の研究開発などの応用分野、さらには三井住友海上保険との「宇宙旅行保険」の開発なども進めている。
そんな両者の共創は、JAXAから声をかけて始まった。JAXA新事業促進部事業開発グループの市川千秋さんによれば、最初はJAXAが運用する地球観測衛星の観測データを鉄道施設メンテナンスに活用できないか提案したが、「そんな精度のデータでは使えない」とバッサリ切られてしまったという。
しかしそんな貴重な機会を逃さないのが今のJR西日本。JAXAに対しデジタルソリューション事業の宇宙分野への活用を逆提案した。