出世する人は「その場で一番評価される行動」を取る

 これは正直、紙やインクの無駄遣いですし、環境面から考えても、決して褒められた行動ではないかもしれません。

 しかし、僕のいるメガバンクでは、「減点」を防ぐことが何よりも重要です。そのため、多くの優秀な銀行員はこういった「減点を防ぐ」行動をしています。

「評価」は定量評価と定性評価があります。このうち定性評価のほうは、明確な基準がないことが多く、「なんとなくできそう」という雰囲気で決まってしまうことが多いのが実情です。

 時に、職場の評価というのは、「社会一般的にどうか」ということ以上に、「その会社・上司から見てどうか」という、部分最適なルールのほうが強く適用されるケースが多々あります。

 出世する人は、こういった「評価基準」のズレを敏感に察知することを、必ず、当たり前のようにやっています。その情報に応じて、柔軟に振る舞いを変え、「その場で一番評価される」行動を選択しているのです。こうして、「サイレント減点」されることを防いでいるのです。

 これはメガバンクにおける「謎文化」の話ですが、「自分の行動が人にどう評価されるのか」という目線はどんな業界でも必要な目線だと僕は思います。常に、自分の行動がどう見られているのか、見直す習慣をつけるようにしましょう。

(本記事は『雑用は上司の隣でやりなさい』の著者による特別な書き下ろし原稿です)