ワースト1位はやっぱり、あの自治体!
25位とは9万円超の差に

「年金年収300万円編」の手取り額の少ないワースト1は、大阪市。以下、墨田区、神戸市と続く。「年金年収200万円編」では、「大阪市、墨田区、佐賀市」という順番だったので、微妙に入れ替わりがあった程度だ。

 大阪市は「年金年収200万円編」でもワースト1位。国民健康保険料と介護保険料をそれぞれ見ても、どちらも調査対象の自治体の中で最も高かった。大阪市の財政状況が良くないことが保険料に影響を与えているのだろう。

 誤解がないように述べておくと、この調査は国民健康保険料と介護保険料の高い自治体を非難するために行ったわけではない。読者に「住む場所により、年金の手取り額が異なる」ことを知ってほしいという筆者と編集部の思いから始まった企画だ。

 表には、額面年金収入300万円に対する「手取り額」、「社会保険料の合計額」、「税金」、「手取り率(収入に対しての手取りの割合)」を掲載している。

 社会保険料が多いほど手取り額は少なくなり、ワーストランキング上位にくる。しかし税金は、ランキング上位ほど少ないことが表から見て取れる。

 前述のように所得税と住民税はどこに住んでいても原則として同じ。税額を計算する際には、所得から社会保険料を控除するため、社会保険料が多いほど、税金が少なく仕組みなのだ。

 それにしても、社会保険料の差は思いのほか大きい。ワースト1位の大阪市と25位の札幌市を比較すると約9万7000円にもなる! 住む場所を選びたくなるほどの格差だ。

 続いて、26位から50位も見てみよう。