手取り額が多いのはどの自治体?
「手取り率」にも要注目

 ワーストランキング下位、つまり「手取り額」の多い自治体は、1位福島市、2位宇都宮市、3位鳥取市という結果になった。

 ワースト1位の大阪市の手取り額は、243万9661円。手取り額が最も多い50位の福島市は、256万6300円で、その差は約12万7000円だ。同じ300万円の年金額で12万円超の差とは!

 表の右端の「手取り率」にも注目してほしい。手取り率は、ワースト1位の大阪市は81.3%、50位の福島市は85.5%。4.2ポイントの差がついている。

 前回の「年金年収200万円」のランキングの手取り率は、ワースト1位が89.8%、50位が93.3%であった。年金収入200万円前後なら、手取り率は90%くらいを目安とするといい。

 さて、年金収入が多くなるほど、社会保険料の負担が重くなるので手取り率は減る傾向にあることも知っておきたい。「年金収入300万円」の手取り率の目安は84%前後だ。

 年金収入に対する手取り率の目安は、退職金や企業年金の受け取り方で迷っている人、公的年金の繰り下げ受給を検討している人にとって参考になるだろう。

 余談であるが、「手取り率」を計算して記事にしている専門家は、今のところ「手取リスト」を自称する筆者くらい。便利なので読者のみなさんにはぜひ活用していただきたい。