最難関男子校の併願人気校

 早慶の付属校を除けば、難関男子校はいずれも複数回の入試を行う。1日の早稲田大学高等学院慶應義塾普通部も、サピックス偏差値が24年は共に59に上がったライバル校だ。慶應義塾普通部は1割強増加で、24年2.7倍だった実倍率が、25年は23年の2.86倍まで戻しそうな状況である。対する早高院は微増で、24年実倍率2.95倍が、25年に23年の3.31倍まで戻すかどうかは微妙である。

 同じ新宿区にある海城と早稲田もまた、同水準のライバル校だが、24年入試では新校舎効果もあって、早稲田大学の系属校である早稲田に人気が集まった。早稲田の[1日1回]は微減、[3日2回]も減少傾向で、それぞれ25年は、24年実倍率の2.92倍と4.74倍よりは緩和しそうである。海城は[1日1回]も[3日2回]も微減となっており、23年3.41倍、24年2.98倍だった1回、23年3.54倍、24年2.99倍だった2回の実倍率よりも、いずれもわずかながら緩和傾向にある。

 ここからは最難関校の併願対象ともなる難関・上位校を見ていこう。1日午後は巣鴨の[算数選抜]と世田谷学園の[算数特選(本科)]、鎌倉学園の[算数選抜]、高輪の[2日午後算数]といった1科入試の人気が高い。巣鴨は1割ほど増やしており、24年実倍率2.3倍から伸びそうだ。一方の世田谷学園は2割弱減らしており、24年実倍率1.76倍から大きく緩和しそうである。鎌倉学園も1割ほど減らし、25年は3倍前後となりそうだ。22年実倍率2.64倍から3.18倍、3.61倍と年々受験者が増えていた高輪も1割弱減らしており、さすがに若干緩和する勢いだ。

 2日は本郷と城北と桐朋の2回目がある。本郷は1割半増、桐朋は微増で、24年の実倍率2.3倍と2.26倍を、25年は上回りそうである。その点、城北はほぼ横ばいで、24年同1.89倍程度が25年でも見込まれる。ここ数年の本郷の伸びは著しい。都営三田線への東急や相鉄の乗り入れで、神奈川方面から通いやすくなっていることもその要因の一つだろう。

 4日には芝[2回]と城北[3回]、サレジオ学院[B]がある。は1割弱の減少で23年と24年の実倍率3.36倍よりは緩和しそうだ。城北は上昇傾向で、24年実倍率4.72倍を超え、23年同5.98倍に25年はどこまで迫るか。サレジオ学院は前年並みで、24年実倍率3.36倍が25年も継続となりそうだ。いずれにしても、実倍率3倍超の入試は受験生にはとても厳しいものとなる。