やりたいことができる環境を作れば
「自分で選べる!」と子どもが大喜び

なぜうちの夫は家事を手伝わないのか…?家族を巻き込むために欠かせない2つのポイント自身の子育て経験を活かして、片付けの相談に乗る著者の澁川真希氏。仙台在住時の2011年に東日本大震災で被災した経験から、生活者と片づけのプロとしての視点で家庭で取り入れやすい防災・減災の備えも伝える活動をしている。

 自分だけが頑張るのではなく、まずは家族も何かをやりたいと思った時にさっと始められる環境を作ることからスタートしましょう。何かを始める時に、誰かに尋ねないとできない状況は、とても不便で、大人でも子どもでもストレスを感じます。

 職場に例えてみましょう。文具や機器、申請書類、過去の事例資料など必要なものを使いたい時にどこにあるのか分からなければ、忙しそうな同僚の仕事を中断させて尋ねてみたり、はたまた詳しそうな人を探してみたりする“本質的な仕事をするための仕事”が生じてしまいます。

 家の中で例えるならば、実家でキッチンの洗い物をしようとするシーンを思い浮かべてみてください。複数のスポンジが置いてあって、食器洗いにどのスポンジを使っていいのか分からず、それを尋ねることもできないと、そもそも洗い物をすることができません。

 今日はあの服が着たいと思っても、どこに入っているかわからない……。お絵描きをしたいけれど、お絵描き帳やクレヨンがどこにあるか分からない……なんていうこともありますね。

 以前、整理収納のお仕事をさせていただいたご家庭では、子供服をお子さんの身長に合わせて出し入れしやすい場所に収めて、自分達で身支度できるようにしてみました。すると、お子さんたちに「これで自分が着たい服が選べる!!」ととても喜んでもらえました。

 何かをして怒られるのではなく、自分でやりたいと思ったことができて、後片付けまでできる日々の小さな成功体験が、子どもの自信や自己肯定感を高めることにもつながっていきます。

 メインで家事する人だけが分かるのではなく、他の家族もどこに何があるかが分かり、さまざまなルールが分かるようにして「自分でやりたいことをできる環境」を作ることをゴールにしましょう。