また100メートル以上の建物にはヘリコプターの緊急離着陸場の設置、また31~100メートルの建物には緊急救助用スペースの設置が指導されているなど、通常のマンションよりもリスクが低い点もある。
一方、制震や免震装置のある超高層ビルでも、日常生活を長期に続けるための備えまでは十分でないことが多い。エレベーターや電気・水道・トイレなどが長期間使用できない可能性がある。
鎌田浩毅 著
緊急地震速報によって長周期地震動が予想された場合、揺れに対する行動は直下型地震と同じで、まず机の下に身を隠す。次にビルの廊下やエレベーターホールなど、体に当たると怪我する物がない場所へ逃げる。
また家の中であれば、トイレの便器にしがみついて大きな揺れをしのぐ方法がある。そして超高層ビルの室内では、地震が起きる前に家具を壁や天井へしっかりと固定し、揺れが収まったあとの避難ルートを確認する必要がある。
総じて家具の転倒や落下の防止対策は、長周期地震動に対しても極めて有効である。揺れが大きい場合には家具によって扉がふさがれる可能性があることから、こうした事態をあらかじめ想定して家具の設置場所を考えることも重要である。