学校の夏休みが明ける時期は、子どもの自殺が増加する傾向があるといわれている。文部科学省によれば、令和5年の10月は、児童生徒の自殺者が年間最多の61人にのぼった。
どうすれば、最悪の事態を避けることができるのか? もし、子どもが「学校に行きたくない」と言ったとき、どのような言葉をかければいいのだろう?
そんな悩みのヒントになるかもしれない一冊が『いのちをまもる図鑑』(ダイヤモンド社)だ。本書は、学校に行きたくないときの対処から、犯罪にあわない方法、危険生物から身を守る方法まで、幅広い項目を網羅。小学生があらゆる「命の危険」から身を守るための知識を紹介している。
今回の記事では、本書のなかから「学校に行きたくない子どもに、知っておいてほしい選択肢について」の項目を紹介する。(構成/ダイヤモンド社・金井弓子)

【10月は子どもの自殺が増加する】学校に行きたくない子どもに、知っておいてほしいことPhoto: Adobe Stock

学校に行きたくないときは、行かなくてもいい。

 10代の自殺原因の第1位は「学校問題」です。いじめなどのはっきりした原因がなくても、友達や先生と合わず、学校に行きたくないなら、今は行かないという選択肢もあります。

 そんなときに、あなたに必要なのは、広い世界を見て「学校だけがすべてじゃない」と知ること。じつは友達がいなくても全然生きていけますし、別の世界に行ってみれば、もっと気の合う人や尊敬できる人に出会えることもあります。

 あなたの居場所はフリースクールだったり、ボランティア活動だったり、旅に出た先で見つかるかもしれません。

「動物が好き」「電車が好き」など小さいときに好きだったことを思い出して、職場見学やアルバイトに行くのもよいと思います。

 学校をやめて、大人になってから高校や大学に通う人もいます。

 人生にはいろんな選択肢があり、あなたはどの生き方を選んでもよいのです。

学校にいきたくないときは『いのちをまもる図鑑』本文より。イラスト:室木おすし
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『いのちをまもる図鑑』第5章監修者
国崎信江(くにざき・のぶえ)

危機管理アドバイザー。危機管理教育研究所代表
女性として、生活者の視点で防災・防犯・事故防止対策を提唱している。国や自治体の防災関連の委員を歴任。『10才からの防犯・防災』(永岡書店)や『おまもりえほん』(日本図書センター)などの監修もつとめる。

※本稿は、『いのちをまもる図鑑』(監修:池上彰、今泉忠明、国崎信江、西竜一 文:滝乃みわこ イラスト:五月女ケイ子、室木おすし マンガ:横山了一)に関連した書き下ろし記事です。