お土産にはアピールチャンス

――お店選び以外でこだわりがあるポイントってありますか?

今井 僕、手土産にはかなりこだわります。手土産でお菓子をお渡ししてもあまり記憶に残らないんです。手土産としてお菓子をお渡しすると、社員に配って終わりになることが多いんですよ。だから、他の人に渡せないオリジナリティがあるものを手土産としてお渡ししたいなっていう思いがあります。

 直近だと、相手のSNSをチェックしたら、「最近スーツで出勤するようになった」という投稿を見つけたことがあったんです。そこで、あまり主張は強くないけれどキラリと光る小物をお渡ししたいなと思い、それぞれのお相手のイメージカラーでイタリア産のハンカチと靴下を選びました

 そして、以下のように話しました。

「最近スーツよく着られるんですか? そうすると、小物とかって悩まれてるんじゃないかなとと思いまして…」
「自分で買うと毎回同じものが揃っちゃうと思うので、今回は、僕がおすすめするハンカチと靴下を選びました。」

 そして最後に

「今度あるイベントのときにもし使ってもらえたら」

 と付け加えました。これで、「イベントについて調べている」こともアピールできます。一方これがお菓子だと「美味しいですよね」のひとことで会話が終わっちゃうんです。どちらのほうが良いかは明らかですよね。

yuuu 素晴らしいプレゼントです。やはり、ストーリーがあるプレゼントは強いですね。なぜそれを渡したのかが明確に伝われば、そのプレゼントは価格が高いプレゼントにも勝てる可能性があるんです。

 今井さんの例は、相手にとっていつもと一味違うプレゼントになっています。ストーリーラインを丁寧に作るといった点で、まさに全ビジネスパーソンが真似すべきお手本です。このような食事会ができれば、面倒な会食がしっかりと成果につながるでしょう。

(本稿は、『ビジネス会食完全攻略マニュアル』の著者・yuuu氏と『Sales is』の著者・今井晶也氏への対談インタビューをもとに構成したものです)