「生成AIは作家に取って代わるのか?」その答えは

 AIが生成した作品は、本来は人の目でチェックし、人が手を入れて調整や加工をしなければ不十分なものだ。しかし番茄小説のようなプラットフォームであれば、不完全な作品でも公開して、無料で読みたい人を引きつけることで収益を上げられる環境を作ればそれでいい。しかも、多くの人が参加することでAIの学習データは増え、他人の文章を模倣した文章を大量に作り出せるプラットフォームを目指そうとしている。おそらく他社でも、いずれ似たようなことをやりだすことだろう。

 また、上海の華東師範大学伝播学院は先日、中国初となるAIによる100万字の長編小説「天命使徒」を発表。超長文の生成も技術的に可能になりつつある。

「生成AIは作家に取って代わるのか」、さらには「生成AIが人の仕事を奪うのか」という問いに対する答えは、「雑で不完全な作品でも受け入れて、それで収益を上げられる環境が整えば、生成AIを活用してコンテンツを作り出す人々が増え、プロの作家の仕事が脅かされる可能性がある」ということになるだろう。番茄小説の騒動は、この問題の一端を示している。