まさに、この2つをしてしまうことは、「認知的思考で期待があるから怒る」「正しさを主張するから否定する」わけです。つまり、大谷翔平さんの親はもちろん、自分らしく個性をつぶされることなく生きているアスリートたちの親は、間違いなく「非認知的でアート的な子育て」を実践しているのです。

 特別な厳しさが彼らを超一流にしたのではなく、誰もができる「非認知的な脳による生き方を大切にした子育て」と言えます。

将棋界の至宝・藤井聡太は
どのようにして育てられたのか?

 大谷翔平さんと同じくらい、多くの日本人が注目する若者の1人が将棋名人の藤井聡太さんです。彼の親もまた、「非認知的なアプローチの価値観」を持った子育てをされた方なのではないかと推察されます。

「親は親、子どもは子ども」という意識のもとで、子どもの「好きなこと」「やりたい」という意欲を重んじ、「余計な口出しはしない」という原則を徹底されたそうです。

 藤井聡太さんのご両親は、「息子がなにかに集中しているときは絶対に止めないように心がけていた」というのは有名な話です。