大事なのは「手放す意識」
そのときの私に足りていなかったのは、「仕事の手放し方」でした。「自分でやった方が速い」「依頼している時間がもったいない」と勝手に決めつけて、やりきれもしない量の仕事を抱え込むことだけ考えていました。その結果、仕事が遅れるどころか体調も崩すようになってしまいました。
その経験をしてから、私は仕事を人にお願いしたり、引き受けすぎないことを覚えました。以前は「一度、仕事を断ってしまうと次がないのではないか」と考えていましたが、その思い込みを捨て、自分がやり切れる分量にあえて制限をしました。少し仕事量が増えたときも、まわりの人に協力してもらいながら取り組むようにしました。
すると、仕事の速度も質も格段に上がったのです。「速くて丁寧な仕事」ができるようにもなったので、焦らずとも依頼が続くようにもなり、まさにいいことづくめでした。
ほんの少しの意識の差ですが、この差が実は大きいのだと感じます。
真面目な人ほど、自分のところで仕事を抱えすぎてしまいますが、限界は必ず来ます。かつての私のような失敗をしないためにも、手放す勇気を持って気持ちよく働きましょう。