・上司:「以前、似たプロジェクトが失敗したから」
・あなた:「その失敗の原因は何ですか?」
・上司:「市場の需要が低かったため」
・あなた:「現在のマーケット状況はどうですか?」
・上司:「現在も低需要が続いている」
・あなた:「具体的なデータはありますか?」
・上司:「最新の市場調査レポートによると……」

 このように、たった数回の「問い」を繰り返すことができると、寄り道もせず最短で、意見の裏にある論理的な根拠やデータにたどり着くことができます。曖昧な意見を真に受けるのではなく、その根拠を探ることが、情報を正しく評価するための”第一歩”です。

 もちろん、上記はさらなる深掘りが必要ですが、さらに「問い」を繰り返し続けることで、根拠のない意見やデータに振り回されることを防ぎながら事象の核心部にアプローチできるようになり、自信を持って判断を下すことができるようになります。

自分の感情に基づく情報と論理的な情報を区別する

 また、情報を見極める際には、自分自身の感情に基づく情報と、論理的に裏付けられた情報を区別することも必要です。感情に基づいた判断は、必ずしも論理的な理由を必要としない場合もありますが、ビジネスや重要な意思決定の場面では、論理的な根拠に基づいた判断が求められます。

 例えば、「なぜピカソが好きなの?」と聞かれても、「好きだから好き」という回答しかできないことがあります。これは感情に基づいた純粋な好みであり、必ずしも論理的に説明する必要はありません。一方で、ビジネスにおける判断は「感情」だけではなく、論理とデータを求められることがほとんどです。「新規事業を開始する」といった決定を下す際には、「なぜこの事業を選ぶのか?」や「市場調査の結果はどうか?」といった具体的な理由や根拠を示すことが必要です。