自分の思考を問い直す「自己反省」の重要性

 情報を見極めるための最後のステップとして、自分自身の思考を問い直す「自己反省」の重要性も挙げておきます。自己反省とは、自分の思考プロセスや判断基準を振り返り、そこにバイアス(かたより)がないかを確認することです。自分がどのように情報を捉え、解釈しているのかを意識的に見直すことで、無意識にかたよっていた判断を修正することができます。

 例えば、次のような問いかけを自分に行うことも効果的です。

・「なぜ自分はこの情報を信じるのか?」
・「この情報に対する自分の感情的な反応はどのようなものか?」
・「他に考えうるシナリオはないだろうか?」
・「自分の立場が異なっていたら、同じ結論に至るだろうか?」

 このように自分自身を振り返り、常に”思考の透明性”を保つことが、情報を見極める力を強化します。自らの思考の癖やかたよりに気づくことで、より広い視野で情報を判断できるようになり、結果としてより精度の高い意思決定が可能になるのです。情報を適切に見極めるためには、得られた情報だけではなく、上記のように自分自身を疑うこともおすすめします。

『消耗せずに成果が出る「情報の捨て方」』書影山本大平著『消耗せずに成果が出る「情報の捨て方」』 (三笠書房刊)